Lily58 Proを組み立てた
たまたま機会があって、とうとう自作キーボードの沼に片足を突っ込んだ。
前回の冬コミ時点では、自作キーボード島を「ほぇ〜」と遠い存在を見るかのごとく眺めていたくらいだったのに、半年も経たずして作成してるとは、全く思いもよらなかった。
この記事では、作成方法とかはビルドガイドに任せるとして、作った時の失敗とか感じたこととかを書いておこうと思う。
ちなみにこの記事は練習がてらLily58 Proを使って書いてます。
全部じゃないけど。
なぜLily58 Pro?
以下の観点から絞り込むと、Lily58 Proしか残らなかったんだよな。
- 分割キーボードがいい
- エルゴノミクス系の配置がいい
- 軸の交換がしやすい
- パームレストがなくてもタイピングできる高さ
- 5行
- 遊舎工房で試せる
値段はちょっと高くなったけど、使いにくいのを我慢したくなかったので後悔はしてない。
キーはなんとなく深く打ちたかったので、ロープロ版じゃなくてMXスイッチ版を選んだ。
キットは遊舎工房で買った。
やっぱ実機を試せるってのはいいね。
組み立てログ
ハンダ付け
ハンダの消費量が多かった
思ったよりハンダを消費した。
主にキーソケットを取り付ける時にはんだを使う。
立体的にハンダを流し込むことになるので消費量が大きくなったっぽい。
研究室で半田付けしてたんだけど、足りなくて結局家にハンダを取りに帰ったりした。
スプリングピンヘッダを取り付ける向きに注意
ハンダ付けに関してはノーミスでいきたかったんだけど、Pro Microに付けるスプリングピンヘッダの向きを間違えるっつうデカいミスを犯してしまった。
普段ピンヘッダをつける時って部品が乗ってる面を上にして付けるから、油断して無意識にいつも通りつけてしまったんだわ。
あれは電子工作慣れてる人の方がミスしやすいと思うわ。
とりあえず頑張って取り外し作業したけど、この作業が全体を通して一番辛かったな笑
スプリングピンヘッダは予備がないから綺麗に取り外さなきゃいけないのが辛かった。
いつも失敗した時は基板を守ること優先で、ピンは壊す勢いで取り外してたし、勝手が違った。
こういう時ははんだ吸い取り器が活躍するはずなんだけど、手元にあったヤツは吸引力が足りず役立たず。
小さい吸い取り器だったのでスマートでいいなと思ってたんだど、なるほどこういうデメリットがあるんだな...
最終的に、はんだ吸い取り線フル活用で綺麗に取れた。
壊さずに済んだのはわりと奇跡的だと思う。
40分かかったけど。
導通チェックはしなかった
ハンダ付けが終わった後、基本的にみんな導通チェックをするみたいなんだけど、僕はほとんどやらなかった。
Arduinoのどのピンがどのスイッチに接続されているはずだ、とかが分かっている上でそのピン同士の導通を確認するなら分かるんだけど、僕が回路を設計した訳じゃないから回路がどうなっているか分からなかったし、調べる気にもならなかったので。
まぁ半田付けは慣れてたし、失敗したらチャチャッと直せばいいジャン、の精神でいった。
Pro Microについて
USBの差込口がモゲるらしいので、エポキシ接着剤で固定した。
基本的には大量に盛って大丈夫なんだけど、端子内に入らないようにすることと、ピンヘッダの黒い部分の高さよりも高くならないように注意。
端子内に入っちゃうとコネクタが挿さらなくなるし、高く盛っちゃうとPro Microが綺麗に基板に挿さらなくなっちゃう。
アクリル板について
最初は剥離紙がついてると思うんだけど、これはお湯とか水とかに浸けながら剥がすと綺麗に剥せる。
OLEDについて
素直にはんだ付けしていくと、おそらくOLEDに付けたピンヘッダとアクリル板が干渉すると思う。
アクリル用のスペーサが10mmだった頃は干渉しなかったんだろうけど、今回のキットは8mmになってたから干渉しやすくなってる。
これに関しては、ピンヘッダの出っ張った部分をニッパーで切り落とすことで解決できるようになる。
OLEDの厚みよりも低い位置で切り落とすことがコツかな。
組み立て
軸をつけていくとキーボードらしさが急激に増してくるので、たまらず少しキーキャップをつけちゃったんだけど、最後のネジ締めとかに干渉してしまったので、キーキャップをつけるのは最後の最後にした方がいいということが分かった。
ファームウェア書き込み
まさか書き込み環境のセットアップに50分もかかると思ってなくて、組み立てが粗方終わってからインストール作業を始めたのも失敗だった。
インストール作業を進めながらハンダ付けとかを進めた方がいいね。
ちなみにセットアップ時に走らせたコマンドは以下の通り。(Macの場合)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 | $ brew tap osx-cross/avr $ brew tap PX4/homebrew-px4 $ brew update $ brew install avr-gcc@7 $ brew link --force avr-gcc@7 $ brew install dfu-programmer $ brew install dfu-util $ brew install gcc-arm-none-eabi $ brew install avrdude $ cd (好きなディレクトリ) $ git clone --recurse-submodules https://github.com/qmk/qmk_firmware.git $ cd qmk_firmware $ sudo make lily58:default:avrdude # 右手側 $ sudo make lily58:default:avrdude # 左手側 |
動作確認
僕はMac標準の「キーボードビューア」という機能を使ってテストをした。
2つほど反応しないキーがあったのでちょっとヒヤッとしたけど、一つは単なるダイオードのつけ忘れ、もう一つは軸の足が折れ曲がっててソケットに挿さってないだけだった。
よく分からない原因不明の動作不良に苛まれることがなくてよかった。
キーキャップを付ける
全然種類が足りなかった…
最後に全部の軸にキーキャップをつけた。
付けてから分かったけど、キーキャップ全然足りないわ。
とりあえず適当につけたけど、これじゃ全然使えない。
キーキャップはまた良いヤツを選んで買い直さないとなのか…
これが沼ってヤツですね…
キーキャップ交換には工具必須
キーキャップを全部つけちゃうと取り外すのがめちゃくちゃ大変になることが分かった。
これはキャップ引き抜き工具必要だわ。買っちゃいました笑
でも作業しやすさは段違いっすわ。
着実に沼にハマっていってますね…
所要時間
準備から諸々の片付けまでで6時間30分かかった。
でも一旦ハンダを取りに家に帰ったりピンをつけ間違えたりしなければ、諸々のインストールを同時に進めていれば、2時間近くタイムを縮められたはずなんだ…
だから実質4時間30分で完成したってことにしておく!
ある程度使ってみて
いろんな操作をキーボードで完結させたくなってくる
マウスとかトラックパッドから遠くなるからか、キーボードから手を離したくなくなるため、全ての操作をキーボードで終わらせたいという思考になる。
適度にマウスも使いたかったからSublimeTextを使っていたけど、これ使ってるとマウスを使いたくなくなる。
これはVim(やEmacs)に慣れる練習と相性がいいのでは。
普通のキーボードを打つ時に違和感が生じる
ある程度グリッド配列で練習していると、普通のキーボード(キーが斜めにずれて配置してあるヤツ)に戻った時に違和感を感じるようになった。
な〜んか打ち間違える。
長年慣れ親しんだはずなのに、こんなすぐに影響が出てくるとは。
まぁすぐ慣れて違和感もなくなるんだけどね。
手首への負担が小さいというのはとても分かる
「手首を自然な角度にできるとか利点に挙げられても、正直普通のキーボードでも変わんなくね?」とか思ってたけど、やっぱり負担は少なく感じる。
自然な姿勢から手をだら〜んと机においた状態でタイピングできるので、やっぱり楽。
逆に変な姿勢(座り方)で打とうとした時に、キーボード側を変な姿勢の自分に合わせて配置できるので、打つ姿勢の幅が広がった感じがした。
最後に
初めて作った割に大きな失敗もなく完成して安心した。
失敗したら1.5万円くらいが全部オジャンになっちゃうからね。
これからたくさん使って頑張って慣れていこうと思います!
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