株式会社ポケットチェンジのインターンに行ってきた
今年の夏はインターンに消えた。
なかなかに長いインターンをさせてもらい、色々経験させてもらったので、ここにその体験記を残しておく。
※あらかじめ社員さんにチェックしてもらってあります
株式会社ポケットチェンジについて
海外旅行とかで余った外貨を電子マネーに交換出来る「ポケットチェンジ」という端末を作っている、イケイケのベンチャー企業。
「ポケペイ」という、オリジナルの電子マネーを発行・管理できるプラットフォームの提供も開始している。
出会い
学内のインターン合同説明会みたいなやつで初めて接触した。
社員さんの雰囲気はすごくフレンドリーで、ほぼ雑談みたいな感じだった。
それで色々説明を聞いた感じ、自分のスキル・興味にあった仕事をさせてもらえそうだったので、特に迷わずそこでインターンすることに決めた。
私服勤務で良くて始業時間が遅めだったのも大きかった
自分の場合は特に面接とかはなく、トントン拍子で話が進んでいった。
期間
約2.5ヶ月。
8月中旬から10月末まで。
長期だとしっかりスキルが身につけられるというし、一連の開発の流れをじっくり経験したかったので、長期インターンをやることにした。
内容
何をした?
端的に言うと、「ポケペイが利用できる、コインセレクタに替わる電子マネー支払いモジュールを作ろう」というプロジェクトに参加して、ファームウェアや基板の開発などを行った。
コインセレクタというのは、ゲーセンとかのゲーム機についてる100円玉を入れる部分のモジュール(こんなの)。
これと同等の機能をもつ、ポケペイ用電子マネー決済モジュールを作ろうというのがこのプロジェクト。
これが作れれば、コインセレクタをコレに交換するだけで既存のゲーム機などを電子マネー決済に対応させられるようになる。
今回のインターンでは、コレ用の基板とデモ機を作り、デモを見せるところまでいった。
ファームウェアの設計・実装・テスト
8月~9月初旬にかけては、ファームウェアに関連した作業を行った。
社長と一緒に制御フローを設計し、それに沿って実装を進めていき、テストも書いた。
要件定義をキチンとしてからソフトウェアの詳細設計を行いコーディングに入るという、基本情報技術者試験に出てくるシステム開発の流れを体験することができた。
C++でのちゃんとした開発は初めてで、経験をしっかり積むことができた。
RAIIという考えもここで初めて学んだ。
コードのレビューも社長にしてもらえた。
また、テストをまともに書くのも初めてで、学ぶことは多かった。
テストを意識してモジュールの設計を行うことだったり、関数を書くことだったりとか。
まぁ今回はfreeRTOSが絡んだコードだったのでなかなかうまく書けなかったけど...
でもこの辺の知識は今後何にでも役立ちそう。
基板の設計・実装
9月上旬~10月末にかけては、基板の設計・実装をした。
CAD(KiCad)での回路設計とか基板設計はほぼ初めての経験だったので、これも学ぶことが多かった。
最初はざっと一通り本で使い方を覚えて、練習として別件の基板の修正を行った。
基板設計とか発注とかが初めてだったので、ちょい緊張した。
基板を発注してしまうと、プログラムのバグを取るみたいな手軽さでミスを修正することができないので、「ミスれないぞ~」みたいなプレッシャーがあったんだけど、最終的に正しく動作してたようなので一安心。
そんでCAD操作に慣れてきたら、本プロジェクトで使う回路・基板の設計。
提携先の企業さんにアドバイスをもらいながら回路を作る。
こういう製品にはスタンガンとかでイタズラしてくる人もいるらしく、そういうのに耐えられるようなノイズに強い回路にしないといけない、というのは目からウロコな気づきだった。
基板に関しても、ノイズの影響を受けにくいようなビアの配置とか、そういう基板設計特有の知識とかを身につける事ができた。
一通りできたら、テスト基板の作成。
発注前に動作確認を行う。
この辺は電子工作する時とやり方は変わらないけど、普段使った事がないNFCモジュールとかを触るいい機会になった。
あと、ワイヤストリッパが超絶便利な事に気付けた。
そしたら発注&届いた基板に実装。
はんだ付けといえばはんだごてを使った方法しか知らなかったけど、ここでリフローはんだ付けというのを知った。
はんだペーストの塗り方とか色々、この辺のノウハウを学べたのは大きかった。研究にも活かせるし。
実装に関しては、温め過ぎて部品を壊してしまったり、それを何とか交換したり、壊れている部品の特定に時間がかかったり…
色々失敗もしたし大変だったけど、この辺も貴重な経験になったと思う。
ちなみに完成したのはインターン最終日前日。ヤバかった。
デモ用の機械製作
基板だけじゃ成果が分かりづらいので、9月末~10月末にかけてデモができる機械を作成。
社内の冷蔵庫では、ポケペイを利用して飲み物の販売をしてるので、冷蔵庫を自販機に見立てて、ポケペイで決済したら冷蔵庫のロックが解除されるような装置を作る事にした。
この辺は普段通りに事を進めた。
久々に3Dプリンタ使ったりアルミ加工したので楽しかったという話。
しいて言えば初めてソレノイドを使った。
デモ動画。
ソレノイドとネジを使ってドアのロックを可能にしている。
よく見るとネジが引っ込んだり(0:27くらい)出っ張ったり(0:39くらい)してるのが見えると思う。
反省点
作業が思いの外ゆっくりになってしまったことが大きな反省点。
特に基板に関して遅くなったと思う。
基板は発注する関係上ミスしても修正がきかないことが多い。
ソフトウェアだったら、ミスした箇所を訂正してまた実行し直すだけで修正出来ちゃうけど、基板はそうはいかない。
インターンで時間が限られてたのもあって、ミスが怖くて慎重になりすぎた部分があったかも。
デモ用のメカを完成させてデモするところまではもっていけたものの、もっと早く進められればプロジェクトをもっと先まで進められたと思うので、いろいろと悔しさは残った。
感想とか
私服でいいし、出社時間も10時と遅めだったし、ほんの数分遅れただけで怒られる、みたいなことも無かったし、社員さんとの雰囲気もフラットな感じで、働きやすさは最高だった。
勤務中何かと声をかけてもらったり、お昼ご飯に誘ってもらったり、いろいろ気にかけてもらえて嬉しかった。
皆さんありがとうございました!
技術的なことでいえば、上でも書いたけど、C++でファームウェアを書く事から基板の設計実装までと初めての経験ばかりで、本当にたくさん学べたと思う。
研究にも十分活用できそう。
長期のインターンを通して「卒業してから働く自分の生活をイメージできるようにする」というのも目的の一つだったんだけど、コレも達成できた。
(少なくとも今のベンチャーだったら)自分のライフスタイルはこういう感じになるのか、というものがリアルに想像できるようになったし、なんなら今の生活とあまり変わらないかも、という感触を得ることができた。
また、自分はこういう開発を仕事にしてもやっていけるな、という適性を確認することができたというか、こういう仕事を志望してもギャップが生じたりする心配は少ないかな、という確認ができたことが結構大きい収穫だと思う。
総じて、ポケットチェンジで長期インターンをして正解だったと思うし、とてもいい経験になったと思う。
あと一つ、印象に残った出来事。
バイトとかだと初日は15分前に着いた方がいい、とかよく言われてるから15分前に行ってみたら、なんとオフィスに鍵がかかってる。
電気もついてないし、誰もいない。
(お盆の時期だったので)今日お休みだっけ?と思ってたら、5分前にTシャツ短パン姿の社長がいらっしゃった。
「うわぁ〜、これがベンチャーってやつか〜!」って思ったのは強烈に覚えてる。
食べ物とか
毎月月末は締め会っつってパーティーをやる。
お台場でBBQやったり、オフィスで寿司食べたりした。
オフィスに寿司職人呼んでその場で握ってもらうとか、そんなことできんのか!
すげぇな!
最後に
インターン後もアルバイトとしてお世話になります!!
これからもよろしくお願いします!!
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